2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

坂のおわり

目がうるむのは香の煙がしみるからで、ながいながい下り坂をゆっくりと遠ざかっていく後ろ姿を見送っていた身には、いつが別れの時だったのかさだかではない。 見送る側が納得するまで、辛抱づよくつきあってくれたその背中が見えなくなってようやく、手を引…

職人芸

久しぶりに冷え込みがゆるんだ朝、車のフロントガラスの霜がプラスチックの刃につれてするりと巻きあがるさまに、大根のかつらむきを連想する。

奇数

よごれ物をあつかうための薄いプラスチック手袋の50枚入りパックは、いつからかは思い出せないのだけれどいつも片手分だけ残る。しかたないので新しいのを買ってきて、最初は一枚だけ出して使うので、つぎもまた片方だけ残るというのをずっと繰り返している…