小さなカマキリ

庭で草取りをしているとスチールウールのようなものが視界を動く。いったいなんだろうとまじまじ見ると、針金よりももっと細いカマキリの子どもだった。そういえばこのあいだ網戸を洗ったとき、桟に卵の残骸がついていたから、そこから孵った子どもだろうと思う。爪の先くらいしかないのにちゃんとカマキリの形をしていて、手を出すと、彼または彼女にとってはものすごい高低差であろう雑草のあいだを一目散に逃げていく。こういうのを気がつかないうちにいっぱい踏みつぶしてるんだろうなと思いながら、どうか生きのびて虫を(できれば蚊を)たくさん捕ってほしい。