相転移

昼すぎ、雨に白いものがまじりはじめた。ゴルフボールほどの大粒の綿雪が、細かい雨のあいだをことさらゆっくりと舞い降りてくる。それが天から放られた白球のようで、窓ごしに軌跡をつい目で追ってしまう。
みぞれは半日降りつづき、仕事を終えて駐車場まで行くと、車が半透明の砂糖衣でコーティングされた和菓子みたいになっていた。