童心臨界点

つぶてのように傘をうつ豪雨の中、家路をたどる。街灯も側溝もない黒々とした細道には水たまりというより小川が待ち受けていて、足を踏み出すたびになま暖かい水が間抜けな音を立てて指の間をすり抜ける。水を避けて歩くのをあきらめたあたりから、だんだんハイになってきて、この感覚は雪合戦で雪の中に倒されたり、ペンキが服について手で描きはじめたりするのに似ていると思う。