短歌日記 大気をわかつ面

夏至を過ぎたとはいえ、夕方はなかなか暗くならない。わかっていても、あたりが明るいうちに帰路につくとなんとなく後ろめたい。やっと日が陰った道を歩きながら、まだ明るみを残す空をふり仰ぐと、すでに暗がりに入った低空の薄い雲のあいだに、そのさらに高みをいく飛行機だけが遠くうす紅色に輝いていた。

  • 中空に昼夜をわかつ面がありそれが角度を増して夕闇