光の当たる場所

うすい雲ごしの午後の陽は弱々しく、あたりの山々をくすんだ枯葉色に見せている。切り株だけが目立つ田んぼの中の農道をまっすぐまっすぐ走っていると、忽然と銀杏の木立が浮かび上がってきた。黒々と無骨なまでの幹の下に、そこだけ妙に鮮やかな金色の銀杏の葉が敷き詰められているのが、暗転した舞台の上の主役を連想させる。