あかあおきいろ

朝昼晩それぞれ違う、十数種の薬はあかあおきいろ、粉にカプセルと実にさまざまで、何度やってもうっかり間違えそうになる。自分では指示通りにそろえられない量の薬を飲みつづけて、あれほど好きだった相撲も本も花たちにも関心を失って、今はただ眠ることだけが無上の喜びである祖父は、少しずつ、確実に坂道を下っていく。