ひるの憩い

さあお昼を食べようと弁当を広げたところに折り悪しくごみ収集車がやってくる。あわてて窓をしめたはいいが、エンジン音がとぎれたまま、なかなか収集する音が聞こえない。不思議に思って窓から見下ろせば、回収業者のおじさんもまた、お昼の時間なのだった。フロントウィンドウごしにダッシュボードに乗せた足が見えて、助手席に水筒とお昼の包みとが広げてある。
車をとめてどこかの公園ででも食べればいいのに、何も仕事先の、1日を過ごす収集車の中で食べなくたって、と思いながら、あらためて窓を開けてしばしともに昼休みを楽しむ。