領空侵犯

わざとむしらずにおいた半野生化した朝顔が、庭の裏手の植木を伝って知らないうちに隣家の梅に絡んでいた。うちの木と違って整然と剪定された年季の入った枝で、誇らしげに咲いているさまを見て「うちの子がどうも…」と申し訳ないようないじらしいような。
先だって、隣家のクレマチスがこちら側に入ってきていたのを楽しませてもらったこともあって、とうてい釣り合わないながらもお返しをした形。おとなりも気に入らなかったらとっくに取っているだろうから、せっかくだからとそのまま咲かせてあるけれど、怒っていたらどうしよう。